January 3, 2008

ベラルーシ出張

2007年9月の中旬に、ベラルーシへ行きました。ベラルーシ、ポーランドとウクライナの国境にまたがっている西ポレシア地域はヨーロッパで一番大きい湿地帯。この湿地はヨーロッパの水源地としても大切な上、政治的にもEUの境目となるため、とても重要な地域です。この地域の自然保全のための科学協力促進のプロジェクトを担当しているので、2006年はウクライナ出張に行き、2008年にはポーランドへ行く予定です。

今まで中・東ヨーロッパ地域は全く知る機会がなかったので、プロジェクトが始まった当初は学ぶことがたくさんありました。旧ソ連の影響なのか、科学者として戸惑うことがいくつか。一番気になったのは、データ収集に時間を費やす割にはそのデータを分析することにあまり力を入れない傾向があるということ。例えば、ある種の草木がどの場所に植生していて、この数年にどのよう植生が変化したか、というのを地図なりで見せるのは得意。でも、なぜこのような変化が起きた(もしくは起きたと考えられる)か、その変化がどのように周りの環境に影響を与える(可能性があるの)か、それに対して今後具体的にどのようなことをしたらいいのか、などが問題化されないのです。

あと興味深かったのは、オフィシャルの会議外での話し合いの方が、実りがあったということ。これはなんとなく日本の会議の方法に似ていますね。一日の会議が終わったらその後に酒を飲みながら、専門家達が色々話し合い、合意を達成する。オフィシャルな会議は主にそのコンセンサスを発表する場。アングロサクソン系の会議ではあまり見られない傾向ですね。

また、この地域全般に言えることなのかもしれませんが、食べ物がそれほど美味しくなく、みんなお酒を本当に飲みます。毎日の食事を楽しみにできない出張はけっこう辛いものがあります。また、朝9時から始まる専門家会議に、半分くらいの専門家が顔を赤くして出席しているというのは、少しやりにくかったです。


この写真は、川辺で見つけた木で彫った飾り(?)。ウクライナでもこのようなものをたくさん見かけましたが、ちょっと滑稽ですね。それにしても皆、楽しそう。




最後の日には、地元の女性達が民族衣装を着て、歌いに来てくれました。

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